【豊前市】不動産投資6棟目 #17 床を剥がさぬ築古再生は絶大リスク~鋼製束と断熱材に込めた決意~

戸建6軒目(豊前市)

築古DIY、床下は無視OKでしょうか!?

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不動産投資において、築古戸建ての再生は「いかに安く、いかに見栄え良く仕上げるか」という表面的な部分に目が向きがちです。しかし、6棟目の再生に挑んでいる今、シロアリで92万の損失を被った経験から「床を剥がさぬ築古再生は、絶大なるリスクである」と断言できます。

35万円という指値で購入した築50年、10年放置された空き家。この物件が私たち家族に突きつけたのは、甘い投資計画を根底から覆すあまりに過酷で、しかし避けては通れない「床下の真実」でした。今回は、多くの大家が目を背けがちな「床下」の修繕と、私なりのこだわりを込めた断熱施工について、その全貌を公開します。


1. 衝撃の事件:娘が押入れから消えた日

リフォームを開始して間もない頃の出来事です。娘が和室の押入れでかくれんぼをしようと、勢いよく足を踏み入れました。その瞬間、「バキッ!」という嫌な音が室内に響き渡り、娘の姿が消えたのです。

地面までの高さは約40cm。幸いにも娘にケガはなく本人はケロッとしていましたが、親である私は背筋には凍り付くような戦慄が走りました。もし下に釘が突き出ていたら?とおもうと笑い話でよかったです💦

この事件は、私の投資家としての甘さを叩き潰し、徹底的な修繕への「決意」を固めさせる決定打となりました。

確認のため他の部屋もチェックしたところ、案の定、家全体の床がペラペラで強度はゼロ。いつ誰が床下に転落してもおかしくない状況だったのです。10年という歳月は、家を内側から静かにしかし確実に蝕んでいました。

2. なぜ床は腐るのか?それは「湿気と素材」

娘が落ちた箇所を確認すると、床材はもはや木材としての形を保っておらず、指で押すだけでボロボロと崩れる状態でした。なぜここまで劣化が進んでいたのか。そこには日本の古い住宅特有の構造的な欠陥と、放置された時間の長さが関係しています。

  • 布基礎の湿気攻撃: この物件は「布基礎」で、床下はむき出しの土です。10年間の空き家期間中に地面からの湿気が床下に充満し、床板を裏側から攻撃し続けていました。
  • ベニヤ板の品質と寿命: 昔の安価なベニヤ板に使用されていたボンドは、経年劣化と湿気で粘着力を失います。するとボンドが剥がれ(剥離)、強度が完全に失われる現象が起きるのです。

実はこれ、過去に4棟目でも同じ経験をしています。その時は入居者さんから、「荷物を置いたら、床に穴が開いた」というクレームでした。入居中での緊急補修とラミネート天井の交換となり、工務店への支払いは合計16万5,000円(6畳一間)。

セルフリフォームであれば数万円で済む作業が、後回しにすることで数十倍のコストと信頼の失墜を招く。これこそが、床下を軽視する「絶大なるリスク」の正体です。これから物件を買う方は、ぜひ「押入れの床のフカフカ具合」を真っ先にチェックしてください。ここは物件の健康状態を示す、嘘をつけないバロメーターです。

3. 床下に潜って見えた「宙に浮いた家」の正体

意を決して床下に潜ると、そこには目を疑う光景が広がっていました。家を支えるはずの木の束(つか)が、乾燥による収縮や地面の沈下によって、すべて地面から数センチ浮き上がっていたのです。

家全体が、わずかな接地面だけで奇跡的にバランスを保っているような、あまりに危うい状態。さらに、大引き(太い横木)には過去にシロアリが這った生々しい跡が残っていました。幸い、今は活動している気配はありませんでしたが、なぜここまでシロアリに愛されてしまったのか。

その原因は、物件を買う直前まで生い茂っていた庭の草木にありました。ここで、投資家としての私の持論を一つお伝えします。

「投資物件の庭に、木や岩、草はいらない。必要なのは駐車場だ」

情緒ある庭木は、投資目線においては湿気を呼び込み、シロアリの通り道を作るリスクの温床でしかありません。駐車場にしてしまえば、収益性は上がり、管理の手間は減り、シロアリのリスクも激減します。投資判断に感情を挟んではいけない典型例です。

4. 鋼製束30本の・追加:物件の「背骨」を作り直す

「さすがにこのままではこのままでは貸せない」
私は、物件全体の約70%にのぼる束を、腐食に強く、高さ調整が容易な「鋼製束」を追加することを決意しました。

  • 骨の追加: 腐っている木の束をバールやハンマーでぶっ飛ばす作業や、その横に設置していく作業は、新たな骨を入れていくという爽快感すらありました(笑)
  • 防蟻処理の完遂: シロアリの跡がある箇所はもちろん、床下全域に薬剤を徹底的に散布しました。

最終的に投入した鋼製束は30本以上。これにより、物件の「背骨」が数十年ぶりに真っ直ぐ通ったのです。地味で過酷な作業ですが、地面に這いつくばって家を支え直す感覚は、DIYの真髄とも言えます。

5. 常識への挑戦:断熱材「スタイロフォーム」投入という決意

築古戸建てDIYの世界では、「屋根や壁もやらないなら、床だけの断熱は無意味だ」という意見が根強くあります。確かに、熱損失の計算上はそうかもしれません。しかし、私はあえて今回、厚さ40mmのスタイロフォーム(水色の断熱材)を初投入することにしました。

理由はシンプルです。「自分でやってみて、その効果を体感したかったから」。採算性も大事ですが、時には自分の知的好奇心と技術向上のための「自己投資」も必要です。

今回は、縁側と廊下を繋げて洋室化し、さらに押入れをウォークインクローゼットにするという大改造。どうせ床を剥がしたのなら、最高の結果を求めたいと考えました。

作業効率を劇的に変える自作ツール「SCM」

スタイロフォームの施工で最も苦労するのが、寸法の正確なカットです。根太(ねだ)の間隔は258mm。これをカッターで一つずつ測って切るのは気が遠くなる作業です。そこで、DIY YouTuberさんの知恵を借り、SCM(スタイロカットマシン)を自作しました。

【SCMの作り方とコツ】

  1. 作業台にカッターの刃を45度の角度で突き出して固定。
  2. 刃から258mmの位置にガイドとなる角材を固定。
  3. 作業台にシリコンスプレーをひと吹きして滑りを良くする。

これだけで、スタイロを角材に押し当てながらスーッと押し進めるだけで、同じ寸法の断熱材がサクサク量産できます。この作業効率の爆上がりと、根太の間に隙間なく「パチッ」とはまる快感は、DIYerにしか味わえない至福の瞬間です。楽しみながら効率を上げる。これこそが長期にわたるセルフリフォームを完走する秘訣です。

6. 理想と現実:断熱にかかる「本当のコスト」

もちろん、こだわりにはコストが伴います。スタイロフォームは1枚(1820mm×910mm×40mm)で約2,150円(コメリ価格)。今回の広範囲な施工では、断熱材だけで2万円以上の出費となりました。

35万円で買った物件に対して、床下の見えない部分だけでこれだけの費用を投じる。これは、利回り重視の投資家から見れば「非効率」と言われるかもしれません。しかし、床が抜ける恐怖を知り、シロアリの脅威を目の当たりにした私にとって、これは「投資」であると同時に、物件を再生させるための「誠実さ」の証明なのです。


まとめ:築古再生は「決意」の積み重ね

築約50年、10年空き家。35万円の指値で購入したこの物件との戦いは、まだ始まったばかりです。床下という、入居者からは見えない場所にこそ、大家としての姿勢が表れると私は信じています。

「床下なんて見えなきゃいい」「断熱なんて無駄だ」そんな効率性ばかりを追い求める声に声もありますが、あえて泥臭く地面に這いつくばって鋼製束を回し、断熱材を敷き詰める。その一つ一つのプロセスが、物件に新たな命を吹き込み、投資家としての私を強くしてくれます。

今回の修繕と断熱が、冬の冷え込みをどれだけ和らげてくれるのか。そして、最終的な利回りはどうなるのか。客付けが終わった段階で、すべての費用を公表します。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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